技術者向けナレッジシステム|Justsystems・東芝・構造化知識研究所など

知識を共有し仕事に生かす知識管理システムってどんなもの?(ジャストシステム,東芝,構造化知識研究所,ダイキンなどの製品)

シーメンス Teamcenter X

シーメンスのTeamcenterは、世界的な有名なPLMソフトです。日本でも実績が豊富なのでご存知の方も多いのではないでしょうか。製品の企画、設計、評価、製造工程の計画、量産準備といった設計開発プロセスにおける設計情報や技術情報を一元的に管理することができます。

Teamcenterは自動車業界ではよく知られていますが、様々な機械、電気設計のCADと連携して設計開発環境を構築できることが特徴です。またBOMと連携して製品の構成管理も適切に行えますし、設計開発プロセス進捗管理なども行うことができるので、設計開発プロセスを支援する素晴らしいツールです。さらに技術文書の管理もできるため、このなかに含まれるナレッジを次の開発に活用する環境も構築することができます。

このTeamcenterがPLMのSaaS (Software-as-a-Service) クラウド製品として進化したものがTeamcenter Xです。クラウド上に搭載されるシステムですので、システムの管理・保守作業の面倒な工数を削減できるようです。また低コストから始めて事業の拡大に応じてシステムを拡張していくことも可能なようです。一般的にTeamcenterのようなシステムは、最初から重たいシステムとして導入することに躊躇することも多いですが、クラウドならスモールスタートして、その後うまく拡張していくことができそうです。設計情報や技術情報が増えていくと、ストレージを逼迫していくことも多いですがクラウドなら安心ですね。膨大な技術情報が増えても、情報、知識を検索、取得して、次の設計開発プロジェクトに生かすための環境をつくることができるので、利点も多いと思います。

 

野村総合研究所 TRAINA

野村総合研究所のTRAINA(トレイナ)とは、同研究所の自然言語処理技術を生かしたテキストマイニング音声認識ならびに機械学習を組み合わせた新しいシステムで、顧客に対応するコールセンターなどのオペレータ業務を支援し、業務効率を高めるそうです。

コールセンターやヘルプデスクでは、音声認識や対話要約を行うTRAINA VOICEダイジェストによる質問内容を整理し、それをTRAINA FAQナレッジに検索を実施してその結果を返すとともに、TRAINA テキストマイニングで、このような活動の結果を社内共有して知識の統合・最適化を図って知識データベースを強化するそうです。FAQを知識として継続的に進化させる仕組みがあることに非常に価値があります。社内の知識をどう管理し、活用を定着させるかの鍵は、知識が常に役立つ最新の状態に維持することです。通常、このために大変な苦労が必要なわけですが、システム側でうまく強化してもらえると非常に助かります。

テキストマイニング音声認識全文検索機械学習・・・とこのような機能を組み合わせて・・・という話をきくと、よく言えば百花繚乱。しかし実際のところ、どこまで精度よく知識を管理できるのか、使ってみないとわからないところですよね。TRAINAのサイトでは、導入事例が豊富に掲載されていますので、非常に実績がありそうです。コールセンターなどの顧客対応には相当役に立ちそうです。セミナーも定期的に開催されているので、参加すると理解も深まりそうです。

FAQを知識データベースにして、オペレータの顧客対応に役立てるには、専門用語をどのように自然言語処理するのかも重要です。機械学習を使って効率的に文章を分析して、適切な回答を提供できるロジック開発は様々な人工知能の会社が競い合っていますが、野村総合研究所はナレッジ分析のパイオニアとして、優位に立っているのだろうなと思います。

日立産業制御ソリューションズ インシデント・アクシデント分析支援システム

新型コロナの重症化を防ぐためのワクチン接種が本格的に進められています。そのなかで医療ミスのニュースが時々報道されます。厚生労働省によると6月16日までの約2330万回のワクチン接種のうち、医療ミスが139件ありました。このうち、注射器の再利用などの重大なミスは70件あったと報告されています。いずれも健康被害は報告されていないようですが、このような医療ミスは医療現場では、類似の原因が存在すれば再び起こりうる問題です。

このような事故(アクシデント)や事故に至る可能性があったミス(インシデント)は、その原因を分析して、医療業務の知識としてまとめて、同じ業務を行うときに活用すれば医療ミスの防止に役立てることができます。

日立産業制御ソリューションズのインシデント・アクシデント分析支援システムは、医療版の失敗学のフレームワークを利用して、報告書の作成、原因分析・対策作成、業務への適用を適切に行うことを支援するシステムです。原因分析の思考を構造化できるのはとてもいいですよね。ひとによって分析の結果が大きく異なることを防ぐことができます。インシデントやアクシデントを事象の結果ではなく、原因で分類することがポイントのようで失敗学の原因11分類を活用して原因分析を適切に行い、再発防止のための対策につなげることができるようになっているそうです。

また、このシステムは、医療安全管理者を中心として、知識を作成し、対策を指示する活動を支援する点も興味深いと思います。一般的なナレッジシステムは、誰がどう使うのかという点が非常に曖昧になっていることが多いです。しかし、このシステムは医療安全管理者、部門責任者、現場スタッフなどの役割がシステムのなかで明確にされているのでシステムの導入がしやすく、知識を活用しやすいと感じます。

失敗事例を単純に入力するフォームとデータ検索ができるソフトは多いですが、原因を体系的に整理し、業務に生かすことまで支援するシステムというのは案外多くありません。このようなシステムが今後広がっていくといいですね。

ジップインフォブリッジ社 SAVVY/EWAP

ジップインフォブリッジ社のSAVVY/EWAP (サビー/イーワップ)は、国産の全文検索エンジンを搭載した高機能検索ツールです。研究開発の文書やトラブルのレポートなどがあちこちのフォルダに保存されていて、単純な全文検索エンジンだと一度の検索で大量の検索結果が出力されて、結局必要なファイルを見つけるまでに時間がかかるということがよくあります。SAVVY/EWAPでは、検索結果をカテゴリーで分類する際に、様々な観点で階層を再構築できるそうで、必要なファイルにたどり着く工夫がなされている点が特徴のようです。

SAVVY/EWAPは、多観点ツリー搭載全文検索システムということで、2006年から販売を続けている実績があり、導入企業も豊富で実績は十分のようです。ジップインフォブリッジ社はファイル検索機能に強みがあるようですね。

 

SAVVY/EWAPはセキュリティ機能も充実しているそうで、ファイル閲覧時のアクセス権限が柔軟に付与できそうです。ログイン処理についても、Active Directoryと連携する機能があり、SSO(シングルサインオン)の対応もできているそうです。ユーザー会やセミナーも定期的に行われている様子なので、アフターフォローも充実していますね。SAVVYはEWAPの他に様々な商品があり、SAVVYシリーズとなっています。知識検索のニーズに応じて、様々なツールを組合せると相乗効果が期待できるかもしれません。

コニカミノルタ COCOMITE

新型コロナウイルスの感染拡大が収束しないまま、Go To トラベルキャンペーンで、ますます感染が広がりそうです。このようななかでテレワークが日常になりつつありますが、私の職場も例外ではありません。テレワークではすぐ傍で業務を伝えることができないので、ルーチンワークに関してはマニュアルを整備して仕事のアウトプットの平準化を図ろうという動きが進んでいます。ここで威力を発揮するのはマニュアルの共有化をスムーズに進められるツールです。

コニカミノルタさんのCOCOMITE(ココミテ)は、独自のわかりやすいユーザーインターフェースで、読みやすいマニュアルの作成を進めることができます。マニュアルには写真や図の貼り付けも重要ですが、これも容易にできそうです。

ナレッジマネジメントツールは、新しいアイデアの創出、チームが保有する知識や経験の共有、FAQの容易な獲得など様々な目的で導入されますが、マニュアルの抜けの無い活用も見逃せない目的です。マニュアルに基づいて業務が正しく進められてこそ、新しい発見、知識、経験が生まれ、そこから知識が広がっていくと思います。

コニカミノルタさんのCCOMITEのサイトを拝見すると、本当に見やすいマニュアル作りができる雰囲気が見て取れます。マニュアル管理では時々悩ましい問題になる文書のバージョン管理も分かりやすくできそうですし、PDF出力もできるようです。

料金体系もクリアで分かりやすいのがいいですね。ウィズコロナの時代、テレワークの成否のカギを握るは業務マニュアルになるかもしれません。このような時代にCCOMITEはヒットするのではないかと思います。

IHSマークイット社 Goldfire

英国IHSマークイット社のGoldfire(ゴールドファイヤー)は、研究開発のナレッジの活用の促進などに役立つイノベーション支援ソリューションです。日本国内でサイバネットシステムなど幾つかの会社が国内向けに販売しています。

 

Goldfireは、開発元のIHSマークイット社が研究、開発した文書解析技術(セマンティック技術)が強みですね。文を構成する「主語」「述語」「目的語」や、文節間の「係り受け」を分析し、これらの関連性を考慮した検索や分析を行うそうです。この結果、社内や社外に膨大にある研究開発の文書や論文などを解析し、新しい知見を得るヒントを得ることに役立つそうです。TRIZとの連携もできるようなので、本当に技術開発向けのナレッジマネジメントツールといえそうです。

 

また、品質保証の強化のために、トラブルリスクの予測と回避、不具合原因究明と対策のための知識の検索にも活用されているそうです。技術開発や品質保証の現場にあると何かと役に立ちそうなツールですね。日本国内での販売元の会社がいくつかあって、いろいろとセミナーやフォローアップもしてくれるようなのでツール導入後もツールを発展的に活用していくことができそうです。

プラスアルファ・コンサルティング アルファスコープ

プラスアルファ・コンサルティングさんのアルファスコープは、ナレッジマネジメントのなかでも良く話題に取り上げられるコールセンターなどのFAQの支援に役立つツールです.組織内に散在している様々な知識を一元的に管理し、 ユーザが欲しい知識にスムーズにたどり着く検索機能が強化されています。

 

ユーザのニーズを踏まえて、FAQにすぐにリーチできるようにすることはナレッジマネジメントのツールでしばしば取り上げられます。特に最近はAIの進化もあってもコールセンターのひとに依存せず、AIのロボットに任せることも当たり前になってきました。特に製品のトラブルでユーザから問い合わせがあった時に、うまくトラブルシューティングできるようになるためには、組織内の知識や情報をうまく検索できるようにすることが欠かせません。このようなときにユーザとのやり取りを通じて、より必要と思われる知識や情報にたどり着けるような方法が必要です。アルファスコープはこのような点に対して技術的な優位性があるようです。

 

知識の鮮度や品質を管理する機能もあるそうです。検索の傾向を解析する機能(検索種別分析/ワードクラウド分析/時系列分析)もあるようですので、最近特に頻度が多くなっているワードなどを分析して、トラブルの傾向なども分析できそうです。同社のホームページで紹介されている画面などを見ると、画面上の操作も分かりやすそうです。

 

今後も魅力的な機能が出てくることを期待したいですね。

構造計画研究所 STATURE

構造計画研究所さんのSTATURE(スタチャー)の、製造業向け品質ナレッジマネジメントシステムです。品質ナレッジマネジメントシステムというのは、知識の活用、蓄積、活用・・・の循環を促進し、次の世代や他の製品に役立つ知識を広げていくことを支援することに特徴があるようです。

 

Excelで技術報告書を作成して、サーバに保存していくことが多いですが、ナレッジとして活用できるようになっているのかといわれると全文検索のツールで検索できるようになっているだけです。STATUREでは、社内の設計品質のドキュメントがみんなで活用できるナレッジデータベースに生まれ変わるとのことで、もしそうであればとても魅力的ですね。
トラブル未然防止に対する有効な手段として使えればと思います。

 

ベテランの知識や経験がない、ベテランが会議に参加しない、ベテランが内容をチェックしてくれないと、故障を未然に防げないという現場では、今後、品質の高い新製品を作ることが困難になると思います。人材がいつまでも会社に残ってくれる保証もないですしね。

 

これからの時代、構造計画研究所さんのSTATUREのように、知識の活用、蓄積、活用・・・がきちんとできるような仕掛けを考えることが不可欠ですね。過去トラをSTATUREに登録して使えるようにするだけでも、役に立つのではないかと思います。

 

サイボウズ kintone

サイボウズのkintone(キントーン)は、クラウド上に社内の知識・データやノウハウを集約し、全文検索機能を備えた情報管理ツールです。話題やプロジェクトごとに整理できるコミュニケーションスペースもあります。
日本語・英語・中国語(簡体字)に対応しており、国内だけでなく海外でも利用できるものになっています。

 

日常的な業務のなかで発生する情報を体系的にまとめて検索できることを一元的に行うのは簡単な事でありません。知識を得るためにもまず入口となる情報をうまく集められるようにしておかないとその後のナレッジ共有に進むこともできません。

キントーンは、アプリを比較的自由に作成でき、しかもプログラミングが不要なのでハードルが低いです。フォームの構造を予めきちんとデザインしておけば継続的に情報を集められそうです。

 

また社内でのコミュニケーションの記録を用意に残すことができ、しかも検索機能もあるので、キントーン上での議論をそのまま情報データベースとして活用することもできそうです。

またクラウドでの管理になるので、社内でサーバを用意する必要がないそうです。このような点も昔ながらの知識管理ツールとはだいぶ異なりますね。英語、中国語にも対応できるので、クラウドを使って海外拠点と情報を共有することもできそうです。

図研プリサイト Knowledge Explorer

図研プリサイトさんのKnowledge Explorerは、文書を作成中にその文書内容をAIが分析し、参考になる知識・情報をプッシュ通知で知らせる機能をもつナレッジマネジメントツールです。

 

社内に文書がバラバラで存在していて、単純な検索では必要な文書を見つけることが難しいという症状は社内の知識を共有しようとする現場ではしばしば発生するものです。Knowledge Explorerは、知識の共有の機能だけでなく、SECIモデル(知識の共同化:Socialization、知識の表出化:Externalization、知識の連結化:Combination、知識の内面化:Internalization)の考え方に基づいて、知識の表出化や内面化を支援する機能を強化することによって、知識の共有を成功させようにしているそうです。

 

作成、参照している文書に対して、AIを活用して、ユーザが知らなかった参考になる知識を「気づき」として自動的にユーザに提示するというのは魅力的ですね。知識検索システムを利用する目的は単純に、欲しい知識を取得たいために関連キーワードを入力して自分の期待に沿った知識文書を探し出すというのが一般的だと思います。しかし、自分の仕事に対して必要な知識は、単純に欲しいと思っている知識の外側にもたくさんあります。こういう知識をうまく提供して、気づきを与えるというのは非常に良いことだと思います。

 

ベテランからの知識伝承が容易ではない昨今、気づきを与えられることはナレッジマネジメントシステムに要求される重要な機能といえるでしょう。以前、構造化知識研究所のSSMmasterを紹介したときにも言いましたが、文書情報をどう効率的に収集して精度よく検索するかに力点のみ置かれているシステムは、本来のナレッジマネジメントの価値が十分に理解されていないのではないかと思います。

 

構造化知識研究所のSSMmasterは、知識の構造化という考え方でよい知識をこしらえることから始めるようですが、図研プリサイトのKnowledge Explorerは、自身の作成中のコンテンツからうまく重要語同士の関連性を踏まえて価値ある知識を提供するということで、気づきを与えるアプローチがだいぶ異なるようです。どちらにしてもナレッジマネジメントシステムとしてどんどん発展してほしいものです。

構造計画研究所 Sphera

構造計画研究所さんのSpheraは、品質・リスクライフサイクルマネジメントソリューションです。製品品質向上やトラブル未然防止、環境・健康・安全対策、CSR達成、コンプライアンス遵守を目的にして部門・組織横断的なリスクマネジメントの実施を支援するツールです。

グローバルに要求される国際規格や法令に沿ったリスクマネジメントに対応しているだけでなく、知識の活用による設計工程の生産性向上やRBMやRCMに基づいた、効率的かつ安全なプラントメンテナンス計画作成などもできるそうで、面白いですね。知識を蓄積するだけではなく、活用できるようにしており、気づきや成長を得られるデータベースを自動的に構築する機能もあるようです。

構造計画研究所さんのこのツールは、自動車品質マネジメントシステム規格IATF16949にも対応してようで、工程管理まで支援してもらえる点は興味深いです。統計解析の部分や別のツールと連携するようですが。

リスクマネジメントについては安全、品質、CSRなど、内容によって所管する部署が異なることが多いので、あちこちによくわからないシステムが入っていることが多いのではないかと思いますが、このように一本化できるツールがあるといいですね。

データデザイン Knowledge Cabinet

データデザインさんの「Knowledge Cabinet」は、設計製造情報センターマネージメントサーバだそうで、ホームページによると、「可視化、連動、分析」をコンセプトに、設計・製造現場のコラボレーション環境を創り出し、コミュニケーションを活性化させるセンターサーバとのことです。

プロジェクトのスケジュールからリソース、個人のタスクまでしっかりと可視化するツールがあり、また3Dを軸としてCAD、CAMデータなどの設計製造情報がプロセスとリンクして管理されるので情報アクセスが容易で、プロジェクトの予定と実績に差異がある場合はシステムが分析を行い、それらの蓄積情報からナレッジを生み出すそうです(傾向を分析し、改善指標を見出すとのことです。)

生産準備計画と製造現場の実績から差異を可視化して、蓄積情報から傾向を分析してナレッジを抽出するというのはとても面白いアプローチですね。この製品は、継続して使用することで、知識がどんどん得られるようにしなければいけませんね。

スマートインサイト SMART/InSight

スマートインサイトさんのSMART/InSight® は、社内、社外に存在する様々な文書、情報をその形式を意識することなく統合して、優れたサーチ技術を用いて必要な情報・ナレッジを効率的に収集することができる情報活用アプリケーションです。

仮想環境にすべてのデータ(構造化データ,非構造化データ)を統合できるため、情報データへのアクセスが容易で、また各情報データの分析によって自動的にインデックスが形成されるので、情報管理上のメンテナンスの手間が減ります。検索機能も優れているようで、検索結果からドキュメント種別をグラフにしたり、検索結果において様々な分析を行い、ユーザに新たな知見や発見を提供してくれるようです。検索結果からのアクセス数なども集計されていて、価値あるナレッジの提供を促す仕掛けもあり、面白いですね。

ホームページでは製品を紹介する分かりやすい動画サイトもあります。あまり専門的な学習をしなくても気軽に検索操作ができそうです。

なお、社内の元の情報のセキュリティポリシーを継承できるようです。ビックデータの活用・分析と情報セキュリティの強化の両輪が必要な昨今において、この製品は、情報の一元的管理・活用ツールとして役に立ちそうです。

ダイキン工業 Space Finder

ダイキン工業さんのSpace Finderは、あの空調機メーカのダイキンさんの電子システム事業部(COMTEC)が手がけるソフトウエアです。開発プロセス改善を支援するためのシステムで、開発ステップ管理、図面管理、品質情報管理など様々な機能がパッケージ化されていて設計開発プロセスの改善に一役買ってくれそうです。

業務フローを見える化して改善を支援するシステムは結構ありますが、製造業の設計開発プロセスを得意とするシステムのようです。ダイキンのものづくりのノウハウも色々と組み込んでいるようなので、製造業向けのソリューションを手がけるSIerとして興味深い存在です。Space Finder関連のセミナーなどもしばしばやっているようなので、情報収集したいと思います。

構造化知識研究所 SSMmaster

構造化知識研究所さんのSSMmasterは、品質情報から設計開発に生かせる知識を構造化して未然防止や再発防止に役立てるためのシステムだそうです。最近、私の勤め先でも耳にしました。ナレッジマネジメントシステムは文書情報をどう効率的に収集して精度よく検索するかに力点がおかれることが多いですが、このシステムの知識データベースは、SSMという構造化知識研究所の田村泰彦氏が体系化したモデルに沿って良い知識を人力でこしらえることから始めることが特徴のようです。

汎用的なナレッジシステムというより、主に製品障害予測・品質向上に注目されているようなので、知識検索のための辞書や検索結果のビュアーなどは専門的に工夫されているようです。私の勤め先でも設計の品質問題がしばしば発生して、品質管理教育や知識伝承は大きな課題になっています。特にベテランのひとたちが退職続きですが、若手エンジニアが十分に育っていません。FMEAやFTAなどの品質管理の手法をまともにするには、専門知識を整理して活用しないと大変ですから、構造化知識は大事ですね。このような知識を活用して品質管理を強化できれば苦労も減ると思います。

膨大な情報から知識を構造化することによって容易に知識を引き出せるようにするという考え方は新鮮ですが、構造化知識をつくるにはそれなりのスキルが必要だろうと思います。いい加減なことしか書いていない文書の場合には、その内容がわかっている人でないと文章を分解して整理できないですよね。