技術者向けナレッジシステム|Justsystems・東芝・構造化知識研究所など

知識を共有し仕事に生かす知識管理システムってどんなもの?(ジャストシステム,東芝,構造化知識研究所,ダイキンなどの製品)

図研プリサイト Knowledge Explorer

図研プリサイトさんのKnowledge Explorerは、文書を作成中にその文書内容をAIが分析し、参考になる知識・情報をプッシュ通知で知らせる機能をもつナレッジマネジメントツールです。

 

社内に文書がバラバラで存在していて、単純な検索では必要な文書を見つけることが難しいという症状は社内の知識を共有しようとする現場ではしばしば発生するものです。Knowledge Explorerは、知識の共有の機能だけでなく、SECIモデル(知識の共同化:Socialization、知識の表出化:Externalization、知識の連結化:Combination、知識の内面化:Internalization)の考え方に基づいて、知識の表出化や内面化を支援する機能を強化することによって、知識の共有を成功させようにしているそうです。

 

作成、参照している文書に対して、AIを活用して、ユーザが知らなかった参考になる知識を「気づき」として自動的にユーザに提示するというのは魅力的ですね。知識検索システムを利用する目的は単純に、欲しい知識を取得たいために関連キーワードを入力して自分の期待に沿った知識文書を探し出すというのが一般的だと思います。しかし、自分の仕事に対して必要な知識は、単純に欲しいと思っている知識の外側にもたくさんあります。こういう知識をうまく提供して、気づきを与えるというのは非常に良いことだと思います。

 

ベテランからの知識伝承が容易ではない昨今、気づきを与えられることはナレッジマネジメントシステムに要求される重要な機能といえるでしょう。以前、構造化知識研究所のSSMmasterを紹介したときにも言いましたが、文書情報をどう効率的に収集して精度よく検索するかに力点のみ置かれているシステムは、本来のナレッジマネジメントの価値が十分に理解されていないのではないかと思います。

 

構造化知識研究所のSSMmasterは、知識の構造化という考え方でよい知識をこしらえることから始めるようですが、図研プリサイトのKnowledge Explorerは、自身の作成中のコンテンツからうまく重要語同士の関連性を踏まえて価値ある知識を提供するということで、気づきを与えるアプローチがだいぶ異なるようです。どちらにしてもナレッジマネジメントシステムとしてどんどん発展してほしいものです。