日立産業制御ソリューションズ インシデント・アクシデント分析支援システム
新型コロナの重症化を防ぐためのワクチン接種が本格的に進められています。そのなかで医療ミスのニュースが時々報道されます。厚生労働省によると6月16日までの約2330万回のワクチン接種のうち、医療ミスが139件ありました。このうち、注射器の再利用などの重大なミスは70件あったと報告されています。いずれも健康被害は報告されていないようですが、このような医療ミスは医療現場では、類似の原因が存在すれば再び起こりうる問題です。
このような事故(アクシデント)や事故に至る可能性があったミス(インシデント)は、その原因を分析して、医療業務の知識としてまとめて、同じ業務を行うときに活用すれば医療ミスの防止に役立てることができます。
日立産業制御ソリューションズのインシデント・アクシデント分析支援システムは、医療版の失敗学のフレームワークを利用して、報告書の作成、原因分析・対策作成、業務への適用を適切に行うことを支援するシステムです。原因分析の思考を構造化できるのはとてもいいですよね。ひとによって分析の結果が大きく異なることを防ぐことができます。インシデントやアクシデントを事象の結果ではなく、原因で分類することがポイントのようで失敗学の原因11分類を活用して原因分析を適切に行い、再発防止のための対策につなげることができるようになっているそうです。
また、このシステムは、医療安全管理者を中心として、知識を作成し、対策を指示する活動を支援する点も興味深いと思います。一般的なナレッジシステムは、誰がどう使うのかという点が非常に曖昧になっていることが多いです。しかし、このシステムは医療安全管理者、部門責任者、現場スタッフなどの役割がシステムのなかで明確にされているのでシステムの導入がしやすく、知識を活用しやすいと感じます。
失敗事例を単純に入力するフォームとデータ検索ができるソフトは多いですが、原因を体系的に整理し、業務に生かすことまで支援するシステムというのは案外多くありません。このようなシステムが今後広がっていくといいですね。